片・すぐお腹痛くなる。

まだ生きていたのか?!

日記18

 自動車税を払ったせいで今月はほんとうにお金がなくて、ほとんど何処へも出かけなかったのです。おかげで普段ならひと月と持たないガソリンが丸一ヵ月と一週間経ってもなくならず、その間にガソリンは値上がりし、先月もらった値引きクーポンの有効期限も切れてしまったのです。私にはよくあることなのです。ほかに気に掛けるべきことがたくさんあるせいで、ガソリンの値動きに気を配ることができないのです。それでとにかく何も考えずに、燃料のゲージが点滅したら給油することにしているのです。そうすると大抵、私がガソリンを入れようとする頃に値上がりしたり、私がガソリンを入れた直後に値下がりしたりするのです。値が上がろうとガソリンがないと何処へも行けないのだから、せんないことです。
 何処へも出かけないとは言いつつ、行きつけのリサショが新店をオープンさせていたことを聞きつけて、仕事の帰りに寄ってみたりしたのです。お馴染みの屋外のLP80円コーナーは小さなボックスに二つ分だけだったのですが、尾崎亜美大橋純子を見つけたのです。店内のレコード売り場は什器も中身も行きつけのリサショのものをそっくりそのまま持ち出しているようでした。となると行きつけのリサショのレコード売り場はどうなってしまったのでしょう。あそこは通いやすくてゆっくりディグれて気に入っていたのですが。新店には什器の下のコンテナにもレコードがたくさん入っていて、ざっくりとした感じの値付けがされていたのです。私は探していたレインボーのアイサレンダーとヴァレリー・カーターのアルバムを買いました。
 先の日記で触れたGS探しは次のお給金が出てから始動することにして、今は専らサブスクリプションでGSを聴いて気を紛らわしているのです。音楽性的な好みで言えばモップスとダイナマイツとカーナビーツがお気に入りなのですが、面白い曲が多いという理由でオックスをよく聴いています。『ダンシング・セブンティーン』の浮かれた感じが一番好きなのですが、ヴィッキーの『待ちくたびれた日曜日』のカバーも面白くて好きなのです。ヴィッキーが歌うと男性を待ちわびる女性の歌として聞こえるのですが、オックスが歌うと女性を待ちわびる男性の歌のように聞こえるのです。この曲の主人公は、来るかもわからない相手のために髪をとかして靴を磨いて相手の好きな香水を買って飼い犬を風呂に入れて鳥かごを塗り替えて相手の好きなアネモネを程よく咲かせて(温室やフラワーキーパーを使ったのでしょうか?)テーブル掛けをとりかえてお菓子を焼いて相手の好きな歌を覚えておいた(披露するのでしょうか?)というのです。好きな相手を家へ呼んだときの何かせずにはいられない感じはとてもよく伝わるのですが、それにしたって、歌の主人公が女性だろうが男性だろうが、来るかもわからない相手のためにここまでするのは大変な大仕事です。この歌の主人公は、とても甲斐甲斐しくて行動力があり余っているのです。ヴィッキーverは情感豊かに歌い上げており、これだけの大仕事をやり遂げてもまだあり余るヴァイタリティを感じるのですが、オックスverは甘えたような舌っ足らずのボーカルのせいか大仕事にくたびれてもう一歩も動けないような感じがするのがおかしいのです。家へ来る恋人のためにあれこれ準備する内容の歌では小島麻由美の『セシルのブルース』も好きなのです。好きな人が翌日自宅へ来ることになった主人公が、夜分の非常識な時間に掃除機をかけ、花瓶に飾る花に悩み、相手の欲しがっていたレコードを他人に貸していることを悔み、普段より2時間早い時間に目覚ましをセットして、冴えてくる目を閉じてとにかく眠ろうとする歌です。
 そういえば手書きプレイリストは曲目や曲順がなかなか決められず停滞しているのです。曲調が似ていて詞の内容がリンクするような曲同士でも、実際続けて聴いてみると繋がりが悪いということがままあるのです。私はDJでもプロデューサーでもないのだから、そんなことを気にすることはないと思うのですが……