片・すぐお腹痛くなる。

まだ生きていたのか?!

どうしてもアナログレコードが聴きたいオーディオ初心者の奮闘

アナログレコードが聴きたいのです

70年代に活動していたガロというバンドにハマってからというもの、どうしても無視できない存在としてアナログレコードがありました。引き金は、聴けもしないのに買った一枚のLPです。ガロの1stアルバム”GARO”。リサイクルショップで見つけた帯も歌詞カードもついて盤の状態も良いそれを、コレクションのひとつとして買い求めました。そこからあれよあれよとレコードは増えてゆき、気付けば聴けもしないのに50枚を超えるレコードが集まってしまいました。このようにして、自分で無視できない状況を作り出した私は、アナログレコードと、もといそれを聴くためのオーディオと向き合わざるを得なくなったのです。

何が必要なのでしょう

まずはレコードを聴くにあたって必要にして最低限のラインを探ることにしました。オタイレコードというDJ機材のお店のオンラインショップで、「聴く専門セット」というものが売り出されていました。読むに、フォノイコライザーの内蔵されたプレーヤーと、アンプが内蔵されたスピーカーを繋げば、その二つだけでアナログレコードが聴けるようなのです。私はひとまずこの方法で自分好みの組み合わせを探っていくことにしたのです。

そうして検索を進めるうちにわかってきたことがあるのです。

  • プレーヤーにはベルトドライブとダイレクトドライブがあって、ベルトドライブの方が安価だけど、ゴムベルトは経年劣化するので交換の必要がある(ただし、ベルトドライブを5年以上使ってるけど劣化を感じないという人もいる)
  • 再生した後に針を自動で上げてくれるオートリフトアップは便利だと思うのに、なぜかベルトドライブ式の、中でも安い価格帯のプレーヤーにしかオート機構がついていないことが多い
  • 「アクティブスピーカー」で検索するとDJっぽい人のイメージ画像ばかり出てくる(私は聴きたいだけなので用途が違うかもしれないと思い始める)

私はどちらかというとベルトドライブよりもダイレクトドライブに惹かれていました。ベルトを取り寄せたり交換したりするのはとても面倒ですし、組み立てるときにゴムベルトを水平に掛けたりするのも不器用な自分には難しいと感じたのです。そしてオート機構は何としても欲しいと思いました。オート機構のついていないマニュアル式を使っている人の意見として「寝落ちできない」というものが散見されるのです。寝落ち、いかにも私のやりそうなことと思うのです。ただ、ダイレクトドライブでオート機構のついているフォノイコ内蔵プレーヤーを新品で買おうと思うと、私の調べた限りでは最安でテクニスクのSL-1500C、10万円です。貧困層の私がプレーヤーにそんなにお金がかけられるはずもありません。却下しました。

私に合った組み合わせとは何でしょう

そこで私は中古のプレーヤーに目をつけました。日参しているリサイクルショップではダイレクトドライブのプレーヤーが1万円台から売られているのです。ですが私は素人なので、目視ではどのプレーヤーにオート機構がついているのかわかりません。さらに、昔のプレーヤーにはフォノイコライザーが内蔵されていません。当初はプレーヤーからアクティブスピーカーに直接つなごうと思っていた私ですが、これではフォノイコライザーも別途用意する必要が出てきます。

私は検索に検索を重ねました。相変わらずオーディオマニアの言っていることはわけがわかりません。私の検索の成果を下記に表すとこうなりました。

  • DENONのプレーヤーに限って言えば、型番の末尾にMがついているものがマニュアル式、Lがついているものがオートリフトアップ式、Fがついているものはフルオート式である
  • フォノ入力対応のプリメインアンプを買えばフォノイコライザーを用意する必要はない
  • インピーダンスとかよくわからないけどスピーカーのインピーダンスがアンプ側の〇Ω~〇〇Ωの範囲に入っていれば多分大丈夫な気がする
  • パッシブスピーカーはまず壊れないので中古でOK、新品で1万円台のものが中古で3000円くらいで買える

これらをもとに検討を重ねた結果、当初の

フォノイコ内蔵プレーヤー → アクティブスピーカー

という組み合わせを取り止めて、

オート機構付きダイレクトドライブプレーヤー → フォノ入力対応プリメインアンプ → パッシブスピーカー

という組み合わせに路線変更し、DENONの型番にLかFのついたプレーヤー、フォノ入力対応のプリメインアンプ、パッシブスピーカーを、すべて中古で揃えることにしたのです。

オーディオを買いに行ったのです

まずはオーディオが充実しているという隣町のハードオフに行ったのです。ですが道が混んでいるばかりで、やっとついた隣町のハードオフにはプレーヤーもスピーカーも全然置いていなかったのです。ガセの情報を掴まされたのです。

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隣町のハードオフではポール・モーリアのLPだけ買ったのです

今度は自分の町のハードオフに行ったのです。プレーヤーもアンプもスピーカーも、私の予算と条件に合いそうなものがいくつかあったので、ここから選ぶことにしたのです。安くてきれいで難のないものを選ぶと、意図せずすべてDENONのものになりました。親切な店員さんをつかまえて、自分の考えている組み合わせがおかしくないかどうか訊いてみたところ、多分大丈夫とのことでした。私が選んだ機材を下記に記しておきます。

  • プレーヤー DENON DP-37F(フルオートで、リピート機能付き)
  • プリメインアンプ DENON PMA-390Ⅳ
  • スピーカー DENON SC-M31LTD

全部で4万円を少し超えるくらいだったのです。プレーヤーは、末尾がLのオートリフトアップのものもあったのですが、日参しているリサイクルショップのレコード売り場ではいつも何かしらのLPがリピート再生されているので、なんとなくリピート機能付きのプレーヤーに憧れるものがあったのです。アンプとスピーカーは条件に合うものの中から安くて難がなくてきれいなものを選びました。

台車を借りて、自分で車に積み込みます。当初の予定ではドーナツ屋さんに寄っておいしいドーナツを買って帰るはずだったのですが、4万円分の機材を乗せて運転するプレッシャーから早く解放されたい一心でまっすぐ家に帰りました。

セッティングするのです

お家に帰ったら手を洗ってうがいをして、すぐにセッティングに取り掛かるのです。ハードオフの店員さんに、つなぎ方がわかっているかどうか訊かれたのですが、私は多分大丈夫と豪語したのです。豪語したからには一人でやってのけるのです。まずは置き場所を作ります。机の上のものを全てベッドの上に移動して、机をプレーヤーとスピーカーの置き場所としました(のちにスピーカーの取説を読んだところ、スピーカーをプレーヤーと同じ台の上に設置するとハウリングを起こす可能性があると書かれていましたが、私の机がとても頑丈で振動を全く伝えないためか、ハウリングは起りませんでした)。アンプは机の下に横置きで設置しているディスクユニオンのオリジナルレコードラックツインの上に置くことにしました。

例のシンデレラフィットしたレコードラックです。オーディオはもろもろ全てサイズを測らずに買い、もちろん事前に机やラックの面積を測ることもしなかったのですが、いざ置いてみると全て目論見通りに収めることができました。あとはケーブルを繋ぐだけです。まずはプレーヤーから伸びているRCAケーブルをアンプのPHONO INに繋ぎます。つぎに、アンプとスピーカーをスピーカーケーブルで繋ぐのですが、アンプにはスピーカー用の端子がAとBの二つありました。なんとなくBの方が下にあって作業がし易かったのでBを使うことにします。アンプのR側の端子の+と-を、右側のスピーカーの+と-に、ねじれないように繋ぎ、左側も同じように繋ぎます。端子はスピーカー、アンプともにネジ式でした。スピーカーは穴に通すだけで楽だったのですが、アンプはネジを緩めると中に芯棒があってやっかいです。苦労して銅線を芯棒に巻き付けるようにして、なんとか締めることができました。ここまでの作業はプラグをコンセントから抜いた状態で行いました。感電したら怖いのです。

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机の上にプレーヤーとスピーカー、下のラックの上にアンプを設置したのです

これで三つの機材が繋がったのです。あとは電源を入れればいいだけなのです。ここで心配性な私は電源を入れる順番に決まりがあるような気がして調べたのです。調べておいてよかったのです。電源を入れるときは、プレーヤーが先、アンプが後です。逆に電源を落とすときは、アンプを先に落としてからプレーヤーを落とします。うっかりしていましたが、電源を入れる前にプレーヤーの調整をしました。まずバランスウェイトを回して、トーンアームがターンテーブルと平行になるようにするのです。ストッパーを外してみると、もともとほぼ平行と言ってよい感じだったのです。針圧やダンピングを調整するノブがあるのですが、何が何やらわからないのです。また検索なのです。同じプレーヤーを持っている人のブログで、純正カートリッジならどちらも1.8に合わせる、と書いてあったのでそれに倣います。これでプレーヤーの方は万事よいはずです。続いてアンプです。念のためボリュームやコントロールを全てゼロにして、スピーカーの切り替えはBにスイッチしておきます。そうしてやっと、プラグを差しました。過たずに電源を入れて、アンプのインプットセレクターのノブを回してPHONOに合わせます。プレーヤーの方は、まずLPを聴いてみることにしたので回転を33に、サイズを30に合わせます。LPをターンテーブルに載せるのです。針のカバーを上にあげて、アームレストのストッパーを外したら、スタートボタンを押します。すると、テーブルが回転して、トーンアームが勝手に動いて針を落としてくれるのです。不器用な私にはとてもありがたい機能なのです。

オーディオを買ってよかったですか

音の良し悪しを論じるには、私のこれまでの音楽鑑賞環境は劣悪すぎたのです。イヤホンだけはオーディオテクニカの6000円くらいするものを使っていましたが(パソコンを買ったときのポイントでほぼタダで買ったのです)、スピーカーは10年以上前から家にある古いアクティブスピーカーのみで、なんだか音がすごく小さいのです。それに比べると揃えたオーディオは考えられないくらい良い音が鳴ることは確かです。今まではイヤホンで音楽を聴くことが専らだったのですが、イヤホンでは音の全体像が見えていなかったと思いました。音が立体的に聞こえるのです。それから、これは気のせいかもしれないのですが、アナログレコードはなんだか生々しい音がするのです。斉藤由貴のLPをかけてみると、CDよりも少しだけ音痴に聞こえるのが不思議なのです。何より、今まで膝を抱えてジャケットを眺むるだけだったLPやEPが実際に聴けるというのはいいものです。みなさんも是非オーディオを揃えたらいいと思うのです。